一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

『大村専務、次の秘書ですがどうしますか?』
かなり困った表情の秘書室長に、俺は同情しつつため息を付く。

『誰かいた?』
秘書課できちんと仕事をする昔からの社員は、もうすでに他の役員についている。
俺も兄貴のように男の秘書を希望するも、なかなか今いい人材がいないと秘書室長はさらに困り顔を見せる。

『あの、少し勤務時間の制限などはあるのですが、子供がいる人なので今まで専務が懸念するようなアプローチをしたりということはないのではと……』

子供がいる。
それはやはり残業などもできないだろうし、できれば今忙しい。きちんとフルタイムで働ける人間が欲しい。
そう思いながらも、一応秘書室長から履歴書を受け取る。

『経歴も申し分ないですし、言語も堪能です。それにあの大手総合商社の豊和グループの秘書課に在籍していた経歴を持っています。それに……』

秘書室長の言葉をどこか遠くで聞きながら、俺は豊和グループという名前に興味を持った。
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