セレナーデ ~智之
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麻有子は いつも 楽しそうに 子育てをしていた。

二人の子供にも 声を 荒げることもなく 丁寧に接していた。


お姉さんになった 絵里加は 壮馬に 焼きもちを妬くこともなく 


壮馬も 穏やかで 育てやすい子供だった。
 


毎朝 智之より 先に起きて 身支度を 整える麻有子。

専業主婦で 子育て中なのに 

きちんと着替えて 薄化粧をしている。


朝食の準備ができて 智之を起こす。


毎朝 起きる度に 智之は そんな麻有子に 感動する。


智之が 顔を洗って 着替え終わる頃 絵里加が目を覚ます。


絵里加の オムツを変えて 着替えさせるのは 智之の役目。


その間に 麻有子は 三人の食卓を 整える。

そして 三人で 朝食を食べる。
 

二才を過ぎた 絵里加は フォークとスプーンで 上手に食事ができる。


いつも ニコニコ笑いながら 嬉しそうに 食事をしている。


絵里加の笑顔は 智之に 一日の力をくれる。


そして 絵里加を 穏やかに 育てている麻有子に

智之は 感謝の気持ちで いっぱいになる。
 


朝食後 目を覚ました壮馬に 麻有子が授乳をする。


その間 智之は 絵里加と遊んで 待つ。

壮馬が すっきり目覚める頃 智之は出勤する。


麻有子と 絵里加と 壮馬に 玄関まで見送られて。


毎日 幸せを噛みしめて。
 


麻有子と 出会うまでの智之は 人に興味がなかった。


でも今は 麻有子や子供達に 興味でいっぱいだった。


智之が 仕事をしている時間 

どんなふうに 過ごし、何を食べ、何に笑っていたのか。
 


それは 麻有子達だけでなく 両親や 兄一家にも。


何か 困っていることは ないか。

自分に できることはないか。


いつも 家族を思いやり 気を配るようになっていた。
 







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