【完結】私に甘い眼鏡くん
夜の花を君の隣で
一学期があっという間に終わり、夏休みになった。

しかし、担任の意向で何故か夏休み中最低10日は自習しに学校に行かねばならない。なぜだ。

私となっちゃんは最初のうちに最低期限の十日を消化しようと決めた。
……これじゃあ夏休みのスタートが10日遅いだけじゃん……。


しかしいいこともあった。

東雲くんも全く同じ考えで、というかクラスの大半が同じ考えで、結局自習というよりかみんなとおしゃべりしに来ている感じ。

もちろん、勉強もするけれど。結構な量の夏休み課題が出ているから。


五日目、珍しく東雲くんに話しかけられた。


「望月、別に変な意味じゃないんだけど、ただ単にものすごく不思議なことがあって、話聞いてくれないか」
「なに?」


彼らしくない、回りくどい言い方に訝る。


「いや、悪い、教室ではちょっと。帰り空いてないか? 今日でも明日でも」
「今日いいよ」
「ありがとう、じゃあ」
「うん」


教室ではできないような話?
一体なんだろう。

疑問に思ったとき、廊下の方から太一のグループの笑い声が聞こえた。


< 20 / 61 >

この作品をシェア

pagetop