あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎

十三、駅までの並木道で




楽しい時間はあっという間に過ぎた。
バルを出ると、駅までの並木を歩いた。

「航さん、今日も、うち泊まりますよね」

航は恐縮して断った。

「いや、さすがに今日はいいよ。
 やはり、付き合ってもない女性の家に
 泊まるのは…」

しばしの沈黙を茉莉奈が破った。

「……、 そうなったらいいって
 私は思っています…」

「え…」

「私、航さんの事、好きです。
 実家に来られた時から、素敵だと思ってました。
 でも、再会して、メッセージやり取りしたり、
 そして今日、やっぱり好きだなって思ったんです」

少し考えた後、航が口を開いた。

「ありがとう、
 僕も茉莉奈ちゃんの事、
 素敵な人だと思ってた。

 でも僕、稼ぎは少ないし、
 こっちに住んでもないし、
 とても、そんな立場じゃないと思ってて」

「そんな事、気にしないです」

航は意を決したように言った。

「じゃあ、今日もお世話になります」

「こっちでお仕事の時は、来てくださいよね」
茉莉奈は笑顔で言った。


< 66 / 95 >

この作品をシェア

pagetop