先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
3.どうにもならない想い
引っ越し…

急すぎていったい何がなんだかわからない。

大学の友達はみんな研修やらなにやらで忙しくて、結局後輩たちにお願いし、手伝ってもらった。
瀬戸口さんも来てくれてる。

「よく見つけたね。こんないい物件。」

瀬戸口さんが窓をあけてつぶやいた。

とりあえず、なんとか荷物は運び終え、あとはなんとか時間かけて整理するしかないと腰を落ち着け、みんなに晩御飯のピザをとった。

ピザだって、段ボールの上にのせて食べてる。

「今日はみんなありがとう。ほんと助かった。お礼はまた後日!落ち着いたらやるからっ!」

「高いっすよ。」

「いやほんと勘弁して。」

ガハハと笑いながら、ピザを遠慮なく食す後輩たち。

ほんと持つべきものはやさしい後輩だよね…。

「不動産関係の知り合いいたの?彩実ちゃん。」

瀬戸口さんも段ボールの前に座るとピザを1枚とった。

「あ、はい。まぁなんとなく。」

「なんとなく?」

「ええ。」

「ふうん。」

いぶかし気にわたしの顔を見るけど、わたしは視線を合わせずに、みんなのグラスにお茶を入れた。

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