隣のキケンな王子様!
*side―YURI
side--YURI
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――1年後。夏休み。
「あ~つ~い~」
エアコンが壊れてしまった部屋で、あたしはひたすら扇風機と抱き合っていた。
目いっぱい顔を近づけたところで、冷たい風が出てくるわけでもないし、
開け放っているベランダの窓からも、温風しか入ってこない。
「ラブラブだなぁ。扇風機と」
いつの間にそこにいたのか、
ベランダの柵に寄りかかって腕組をしているお隣さんは、あたしの姿を見て笑ってた。
習慣化したその立ち姿には、もう、ほとんどびっくりしませんから。