隣のキケンな王子様!
*side―IKUMI
side---IKUMI
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“いつか、オレが王子になるからな”
そんな大見栄をきってから、
でも、
そんな日は、もしかしたら永遠に来ないんじゃないかと、ココロのどこかで思っていた。
器用だけが取り柄の手先を利用して、
何とか修復した兄貴の形見のオルゴールを手に、
「どーすればいいんだろな、兄貴」
部屋の中でぽつりと繰り返す日々。
いくら頑張ったところで、兄貴に勝てるはずなどない。
思い出はキレイなままそこにあって、
時間を巻き戻しでもしない限り、事実を変えることなど出来ないのだから。