蘭side


恋をしろ。


お兄ちゃんからのそんな言葉に、もううんざりして耳にイヤホンを突っ込む。


「アッハハ、やっぱりabyssはカッコイイなぁ」


あたしはテレビの中の人に恋をしてるんだから、現実でしなくてもいいじゃない。


とか言いながら、部屋にあるテレビでabyssのライブ映像を見て、「はぁ」とため息を漏らす。


全部、お兄ちゃんのせいだよ。何回「恋をしろ」と言ってきたか。


お兄ちゃんはいつも完璧で、顔もいいと思うし頭もいい。


そんなお兄ちゃんが言うんだから、少し心配になってくる。


そろそろ、ちゃんと彼氏とか作らないと結婚できないのかなぁ。


やっぱり、アイドルと会える確率なんで1%にも及ばないし……


でも、霞も全然男子に興味ないみたいだからなぁ。


しょうがないかぁ。少しでも、学校の男の子と仲良くしよう。


「いやっ、でも秋斗くんよりカッコイイ人なんていないよぉ」


アハハ、アハハとベットの上を転がりまくる。


カッコイイよぉ。秋斗くんより好きになる人なんていないよぉ。


いやぁ、揺れるね。すごく揺れるよ。


秋斗くんを取るか、現実の恋を取るか。


うわぁぁぁ、迷うよぉぉ。


人生で一番の選択だよぉ。