愛してるって気持ちだけじゃ届かない

約3年前


いつものように[コンフォルト]のカウンターで、隣同士で座り飲んでいた。

「友達なら新しい門出を祝ってよ」

「門出って…ただ、いづらくなって辞めただけだろ」

うっ…そうだけどさ…

「うるさいな…どうして男って、可愛くて守ってあげたくなるような女がいいわけ?」

「そんな男ばかりじゃないだろ…お前の選ぶ男の基準が悪い。人当たりがよくて、一癖も二癖もあるような男が好きだったか⁈…逆になんでお前はそんな男ばかり選ぶんだ?」

「クールが抜けてる…タイプなんだもん」

あんたに似ているからだと慧を見つめた。

「はぁっ…クールって意味がわからん。たいして好きでもないのに、追いかけて、嫌われて、自分で自分の首を絞めて何がしたかったんだよ」

呆れたようにため息をついた慧。

長い片思いを拗らせて、慧に恋する気持ちを諦める為に恋に恋をして、報われない恋の無限ループ。

いつになったら、抜け出せるのだろう?

慧以上に好きになれる人は現れるのだろうか?

勤め先を辞めるきっかけとなったのは、たいして好きでもないのに、慧に似たタイプと理由だけで恋に落ちて、選ばれたのは、また私じゃない
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