寵愛紳士 ~今夜、献身的なエリート上司に迫られる~
「本当に? 雪乃って呼んでいいの?」
「は、はい。呼んで、ください」
実際に口にされると今度は言い出しっぺの雪乃の方が照れており、掛け布団に口もとを埋めて隠れた。
そんな彼女がたまらなくかわいくて、晴久の声はどんどん甘くなる。
「じゃあ、雪乃」
「は、はい……」
すぐにでも彼女を抱きしめたかったが、このじりじりとした胸の焼けつく距離感もたまらなかった。
無理強いをせず、ゆっくりと雪乃の反応を見たくなる。
「もう電気は買わなくていい。これからは待ち合わせて、ここに泊まってくれ。荷物もここに置きっぱなしにして」
「高杉さん、そんな、さすがにご迷惑では……」
「いいんだ。もうひとりにしたくない。今日みたいに危険な目にあっていないかと思うと、気が気じゃないんだ」
心配もしているが、一緒にいたいのだ。彼女と関係を進めたい。恋愛をしたい。
晴久はしっかりと自覚した。