激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
バラの花束は誰に?

お見合いに行ったら宝生さんがいて、腰が抜けそうだった。

気になっていた彼に再会できたときはテンションも上がったが、とんでもない雲の上の人だと知り完全に尻込みした。

しかし、お見合いから一週間。
連絡ひとつないとちょっとさみしい。

なんて勝手なんだろう、私。

あきれつつも、スマホの画面を見てため息をついた。


「連絡くらい……ねぇ」


会えなくても、電話くらいはできそうなのに。

もし彼が本気ならばの話だけど。
やはり、連絡先を聞いてきたのは社交辞令で、お眼鏡にも適わなかったというところか。


「仕事しよ」


フローリストになってから仕事に没頭するあまり、付き合っていた彼氏にあきれられて、花のことしかわからない〝欠陥人間〟という称号までいただいた。

その彼と別れて以来ずっとフリー。

< 64 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop