死んでもあなたに愛されたい

神様




今日は、秋祭り!


夕方ごろから始まるお祭りを、あたしも裏方でお手伝いすることになっている。

だから休日でも早起き! えらい自分!



洗面所に行くと……あらびっくり。

魁運が頭皮チェックをしていた。



え!? 寝ぼけて見まちが ……ってない!


も、もしや、もうきてるの……!?




「魁運んんんん!!」


「……あ、朝っぱらから大声出すな」


「大丈夫だよ!!」


「は?」


「あたしはちっとも気にしない!」




知らなかったよ。

魁運が頭のことを悩んでいたなんて!




「若くしてハゲてても、悩みすぎちゃいけないよ? ハゲでも魁運はかい」


「誰がハゲだ」


「うんにゅっ」




ぐにゅ、と両頬をつぶされた。


あっ、そうだよね。「ハゲ」なんてドストレートな表現は禁句だったね! ごめんね!

ストレスためこむ前に、あたしになんでも言ってね! 魁運専用のサンドバッグにもなっちゃうよ!




「どんなかんちがいだ。ハゲてねぇよ。このとおりふっさふさだわ」


「へ?」




かんちがい?




「でも、今、頭皮チェックして……」


「頭皮チェック? ……あー、ちげぇよ。髪色を見てたんだ」




髪色……髪色……あぁ、なるほど!


色落ちしてきた金髪は、限りなく白に近い。

根本まで白い。真っ白だ。




「ハゲじゃなくてシラガに悩んで……!」


「ちげぇって」



< 122 / 329 >

この作品をシェア

pagetop