「うん、とりあえず母乳は出るようね。吸わせてるうちに出は良くなるから、初めは右を5分、左を5分の目安で吸わせてみて。そのあとにこうしてげっぷをさせてから寝かせてね」

水流助産師は、美暖を日葵から受けとると、縦抱きにして上手にげっぷをさせた。

「すぐにお腹が空くから二時間おきくらいに起きて泣くだろうけど。頑張って授乳できるかな?無理そうなら病院に赤ちゃんだけ連れて帰って入院させることもできるけど」

水流助産師の言葉に、日葵はゆっくりと首を振って、

「せっかくですから、この際、自宅分娩コースに切り替えたいのですが・・・」

と答えた。

「了解。何かあったらいつでも連絡して。これ、私の個人携帯番号。また繋がらないと困るしね。念のためメッセージアプリのアドレスも教えておくわ」

と、水流助産師は肩をすくめた。

入院なら5日間病院で看護付きと至れり尽くせりだ。

しかし、自宅分娩コースは基本的に母親と家族で赤ちゃんのお世話をしなければならない。

大きな問題がなければ、今後5日間、医師と助産師が決まった時間に在宅訪問してきてフォローしてくれる。

「日葵の緊急連絡を邪魔したそのモンスターペイシェントとやらも粛清対象だな・・・」

日葵が今後の生活について考えている間も、まだ陽生は、報復手段を考えている。

「陽生さん、このまま自宅で過ごそうと思うの。協力してくれる?」

上目遣いで甘く囁けば、陽生は日葵の言うがままだ。

「もちろん!例え普通に分娩して入院していたとしても、日葵は特室に入れて終日付き添う算段だった。俺に任せておけ」

゛聞いてないけど・・・゛

日葵の呟きは頭の中だけで処理された。

こうして、陽生の思惑通り?お産後も陽生は日葵と美暖と離れることなく、ハッピー子育てライフを開始することになったのである。