次の日の土曜日は助産師と医師の訪問日。

美暖の成長も日葵の回復も順調との診断を受けたことにより、自宅分娩のフォローアップは一旦終了となった。

次の受診は25日後の1ヶ月健診。

ほっとした日葵は、これからこれまでとは別のお客様をおもてなしすることになっていた。

「日葵、出産おめでとう。美暖ちゃん可愛いわね。女の子最強」

「蒼井、久しぶりだな。自宅分娩お疲れ様」

午後になり、かつて日葵が働いていたHashimitsuでお世話になった先輩、花菱蘭と三石悠馬がお見舞いに来てくれた。

蘭と悠馬は、Hashimitsuから陽生がsunrise&life
co.ltd.(改名)に引き抜いた精鋭だ。

陽生の同期でもあり日葵の先輩でもある。

休日の今日、

蘭は、3歳の息子である玲音(れおん)君を引き連れての訪問だ。

二人の力説によると、美暖と日葵に会いたい

決して陽生に会いに来たのではない・・・

というのが本音だそうだ。

「うるさいやつらだな。日葵が疲れるだろう?さっさと見舞ってさっさと帰れ」

「ちょっと、陽生さん、言い方・・・」

陽生の遠慮ない失礼な言い方に慌てる日葵だったが

「大丈夫、大丈夫。無視よ、無視」

と、メンタル最強の蘭と悠馬は陽生の存在をスルーしていた。

「ほら、玲音、可愛いよねぇ・・・あれ?固まってどうしたのかな?」

ベビーベッドの横でじっと立ち尽くしている玲音を見て蘭ママは首をかしげている。

よくよく見ると、

玲音が差し出した手を、美暖がギュッと握って微笑んでいる(ように見える)ではないか!

「やだ、なにこのシチュエーション、萌えるわ」

蘭の言葉に激しく同意する日葵であったが、ふと陽生の様子が気になり隣にいる夫を見上げた。

愛しい我が子が、3歳とはいえカッコいい年上の男の子の手を握りしめている状況・・・。

『まだ嫁にはやらんぞ』

『お前なんかには大事な娘は渡さない』

などという、親バカ全開の少女漫画的状況に日葵の期待が高まる。