値札人間
数字
「やば! 遅刻しちゃう!」


いつも通り起きたつもりだったのに、枕もとの時計を確認すると朝8時前。


ご飯を食べて着替えをして、すべての準備が整うまでに1時間はかかるから、完全に遅刻コースだ!


あたしは大慌てで顔を洗い、髪の毛をとかして制服に着替えをした。


あたしが通う吉川高校の制服は白地に襟に赤いラインが一本入っているセーラーだ。


1年間着用してすでに肌に馴染んだそれを手早く着て、すぐに家を出た。


「アンリ、朝ごはんは?」


キッチンからお母さんのそんな声が追いかけてきて、一瞬足を止めた。


お腹がぐーっと鳴っている。


だけどここでのんびり朝食を食べているような時間はなかった。


あたしはその場で何度か足踏みを繰り返し、空腹感に負けそうになりながらも「行ってきます!」と、家の奥へ声をかけたのだった。
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