皇女殿下の幸せフェードアウト計画
第二章 クライマックスが続いてた
運命の日から私は部屋にまた引きこもっている。

というのも、お母様は病気で療養に入ったということに名目上なっているけれど、人の口に戸板は立てられぬということわざもある通りお母様が不義密通をしていたことは割と有名な話だったので残念ながらそれをとうとう咎め立てられたのだろうと専らの噂だ。

そこの加えて皇弟であるエイモン叔父様も病気療養となればまあ……察しの良い人というか、噂好きの人々が放っておくはずがない。

案の定、そこから派生して『皇女イリスは本当に皇帝陛下の娘なのか』という話題も出てきているようだ。

そんな中わざわざ外に出る趣味は私にはないので、こうして部屋の中で心穏やかに表舞台から去る日を待ち続けている。



……待ち続けているん、だけど、も。
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