秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~

翔悟さんとの旅行から二週間が過ぎてもまだ、心はたくさんの幸せで満ち溢れている。

次に彼とふたりっきりになれるのはいつになるのだろう。願くば、この胸の余韻が冷めないうちに……と、そう思いを馳せた時、上着のポケットに入れていたスマホが振動した。

手を伸ばして何気なく確認し、ギョッとする。業務時間中なため、口から飛び出しそうになった声をなんとか堪えて、周りを気にしながら届いたメッセージを確認する。

相手は翔悟さん。それだけでも鼓動が煩くなるのに、短い一文でさらに胸が高鳴った。


『急で悪い。今夜空いているか?』


休憩時間になったら返事をしようとひとまずスマホをポケットに戻して仕事に集中しようとするも、口元が緩むのをしばらく止められなかった。

仕事が終わり、私はいつものように翔悟さんと落ち合う。


「待たせた」

「いえ、大丈夫です。お仕事、お疲れ様でした」


周囲を気にしつつ車に乗り込む。いつもと変わらず冷静でいて、でもなぜか柔らかく見える眼差しに迎えられ、私は微笑み返す。会えるのはまだままだ先だろうと覚悟していたためか、この突然のお誘いが嬉しくてたまらない。

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