旅行から帰り、翌朝には紘太朗さんはニューヨークへ旅立っていった。

今日も一番に出勤し、ひとりでぽけっとお茶を飲む。

「おはようございます。
お土産買ってきたんで……」

「ちょっと美月ちゃん!」

中尾さんは出勤してきた途端、私を引っ張って給湯室へと連れていった。

「噂になってるよ、美月ちゃんが蔭木課長と一緒に旅行してたって!」

「え……」

なんで、どうして。
そんな言葉があたまの中で渦巻くが、答えなんか出るわけがない。

「温泉旅行に行ったショップの店員が、美月ちゃんと蔭木課長が一緒にいるのを見た、って!」

彼女が出した温泉の名は、まさしく昨日まで私たちがいた温泉地だった。

「あの……た、たま、たま、で……」