【完】溺愛したいのは、キミだけ。

*地味子の私

朝の賑やかな教室の中。


今日も一人、自分の席でポツンと読書をしながら座っていたら、親友の江奈(えな)ちゃんが元気よく声をかけてきた。


「おっはよー! 雛乃(ひなの)」


「あ、おはよう江奈(えな)ちゃん」


「いやー、今日も朝から超走らされたわ~」


彼女、杉崎(すぎさき)江奈ちゃんは1年生の頃からの仲良しで、ショートヘアが似合うボーイッシュな女の子。


明るくサバサバした性格で、いつもポジティブだから、一緒にいるとすごく元気になれるんだ。


陸上部所属の彼女は、今日も朝練を終えてからきたみたい。


「朝練お疲れ様。毎日頑張ってるね」


「ありがと。まぁキッツいけど、走るのは好きだからね~。てか私、朝練中に雛乃のこと見かけたよ。今日も三姉妹で登校してたじゃん。ほんと仲いいよね~」


「あはは、うん。友達みたいな感じだから」


「でも確かに、黙ってたら友達同士に見えるかも。みんなあんまり似てないもんね~」



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