好きなんだから仕方ない。

何があると?

エミィ様はメルシオ様に言われた通り、神々の日記を見に足を運んだ。にこりと笑って招き入れたメルシオ様に違和感を覚えながら、俺は他の二人と一緒にそれが終わるのを待っていた。
そういえば、メルシオ様が興味深い事を言っていたな。

「俺たち神は元々、神を必要としなくなった人間たちが行き過ぎた事をしないよう神が改めて作り出した魔女の血が流れていないとなれないだろう?それは最初に教える公平な裁判のやり方を神になる前から根付いているからなんだ。エミィやパドメだってエイミアやパルドメールだった時、年のわりには冷静に、客観的に自分に降りかかる問題を見れていたはずだ。魔女という種族は生物の中で自分に関する事については一番感情的になりにくかったんだ。自分が手を下さない、怒りを買わずに干渉できる自分の代わりが欲しかっただけだからね」

「それは・・・、悲しい事ね。愛するあまり、関わらない事を選んで自分の代わりに任せるなんて」

「だから魔女からしか選ばなかったのさ。自己中心的な事をさせないよう作った償いと、自分の事に感情的になれなくしたからと言って愛していない訳じゃないという愛情表現の一つとしてね」
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