好きなんだから仕方ない。

お側におります

エイミア様は何でもお見通しだったのですね。でも、だとすれば我々は尚更言い出しにくい話だと知っているのでしょうか。
その日、俺は専属の兵士である四人に彼女の仰った事を伝えて眠りに着いた。王族など考えを理解しようとする方が間違っていると現実に腹を立てながら。

「クロエラさん。俺たち、やっぱり行こうと思います。この事実を隠すべきなのかはきっとエイミア様ご本人が決める事のような気がするんです」

「・・・分かりました。お供します」

一ヶ月間の試練も残り三日に差し掛かった頃、朝の引き継ぎをしようと準備が完了した兵士二人が俺の自室に入ってきた。とうとうこの日が来てしまったのか。
彼女の秘密を明かす証拠、魔女の髪で織られた帽子付きの長い上着。それは男物で小柄なエイミア様には長く大きすぎて裾を引きずってしまわれるくらい。そしてもう一つは彼女に親として関わって来た人からの書き続けられてきた手紙。
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