一匹狼くん、 拾いました。弐
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みんなとご飯を食べた後、俺は仁の家に行った。
葵に仁が一番心配してたんだから、仁の家に泊まるように言われて。特に反対する理由もなかったので、俺は素直にそうすることにした。
「……お邪魔します」
「おー。懐かしいな、お前が泊りに来んの」
どうやら出会ったばかりの頃のことを思い出しているみたいだ。
「仁、俺母さんと喧嘩して。だからもう行く宛なくて」
「……葵から聞いた。なんて言われたんだ?」
「……言いたくない」
思い出すだけで腹が立って、頭がおかしくなりそうだ。話してもまともに説明できる気がしない。
「……そっか。ホットチョコレートでも飲むか? 嫌なことがあった時は、甘い物が一番だろ」
「……うん」
小さな声で、俺は頷く。