君がいたから

辛い現実



「結愛…おはよう 」


「………おは…よ」


じーっと蓮の方を見る。

私を見るときは笑顔でいてくれるけど

お父さんと顔を見合わせている蓮は深刻そうな表情をしている…

ふたりは検査結果はもう知っている
もし大したことなければもっと穏やかな表情をするはず…


採血の結果を聞いたときから
覚悟はしていたけど…
やっぱりそうなんだと確信する。


「結愛………検査結果話すね 」


緊張感が張りつめる中…蓮が口を開く。


「結愛は白血病だった………
進行が早いからタイプだったから
今すぐ、明日からでも治療を初めてほしい 」


………それだけでも辛いのに
さらに蓮は話を続ける。


「治療のことだけど…
脊髄にも白血病細胞が浸潤していて
普通は点滴だけで、抗がん剤を入れるけど
背骨の間から注射もしないといけないんだ。」


絶望のどん底に落とされたけど
隣にお母さんもいたから
歯を食いしばって耐える。

脊髄なんて大事なところが病気にやられたら

死んじゃうよね。
やらない選択肢がないのはわかっている。

だけどやれば絶対治るの…?
そんな疑問も浮かんでくる。


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