17時、カフェオレ。
カフェオレには敵わない?



次の日もバイトな私は、先輩が来るまで仕事をやめた。
先輩がきてからできるように、いろんな仕事を残しておいた。


――カランカラン、


「こんにちは」

「……いらっしゃいませ」


いつもなら、元気よく答える私なのに、こんな声しか出なくて


「…元気ないね」


いきなり、先輩を心配させた。


「…そんなことないですよ。
いつものでよろしいですか?」

「あ、うん」

「お待ちください」


私はそれからコーヒーの準備をする。
いつもなら準備されてるグラスを取り、コースターの用意をする。

こんな準備、いつもなら絶対先にしとくのにね。
一秒でも先輩と話していたくて。


…でも、今はもうそれすら辛かった…


「お待たせしました。カフェオレです」

「ありがとう」


いつもなら、このまま先輩の方をずっと向いてるけど
今日も私は後ろを向いて、シンクの掃除を始めた。

先輩の、彼女を想う邪魔をしたくないし
彼女との思い出の場所に入り込んでいい権利なんかないし

それに、先輩は彼女に会いに来てるだけだから。


私なんか、別に必要なかったんだ。


もう話しかけるのはやめたんだ。


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