こじらせ社長のお気に入り
本気とおふざけの境界線
「おはようございます」

「あっ、笹川さん、おはよう」

「おはよー」

金曜日の今日は、定時後に歓迎会がある。
まだ不慣れな環境に緊張して、入社以来、飲みに行くこともなかったから、内心かなり楽しみにしていた。思わず挨拶の声も弾む。

それは私だけじゃなかったようで……


「おはようござ……」

「おっ、さっさかわちゃん、おはよう!今日は楽しみだな!!」

私の挨拶に被せて、跳ねるような口調で声をかけてきたのは、我が社の社長様だ。
このはしゃぎよう……〝子どもか!!〟と、心の中で突っ込む。

「そ、そうですね。遅れないように、サクサク仕事をしちゃいましょう」

そりゃあもう、すごい集中力を発揮した社長。思わず、そんなに楽しみだったのかと呆れてしまうけれど、私もそれなりに楽しみなのは同じだ。








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