クールな王子は強引に溺愛する
永遠に
朝日に照らされ、未だ寝足りない体で寝返りを打つ。想像よりも広々としたベッドに疑問符が浮かび、目をこじ開けると洗い立てのシーツに身を包んでいた。
隣にリアムの姿はない。体も綺麗に拭かれており、モリーの姿を探すも見当たらない。
もしかして、全てリアム様が?
恥ずかしさでシーツに顔を埋める。熱に浮かされているときならまだしも、冷静になってから全てを見られたかもしれないと思うと顔が急激に熱くなる。
扉をノックされ、心臓を縮み上がらせると、「朝のお支度に伺ってもよろしいでしょうか」と、モリーの控えめな声が聞こえた。
「あ、ちょっと、待って」
咄嗟に出た声は思ったよりも掠れていない。それでも、今さら隠したところで仕方のないのは理解しつつ、ベッドの脇に押しやられていた夜着を素早く身につける。
「どうぞ」
軽く咳払いをし、モリーを招き入れる。
「リアム様は……」
恥ずかしさから話し出すと、モリーは至って普通に「式典の準備にバージル様と打ち合わせております」と返答をされる。
「エミリー様もご準備に忙しくなります。リアム様は、ギリギリまで眠らせてやってほしいと言われましたけれど、本当に目が回るほどに急いでくださいませ」
そこからはモリーに急かされるまま、支度を進めた。