大きなテストを隔てて、後期の授業が始まる。

ロザンナは妃教育から聖魔法の授業へと小走りで移動し、開始時間ギリギリで教室に飛び込んだ。

間に合ったと安堵しつつ空いている席を探す。見つけはしたが、その隣に座っていたのが女生徒のうちのひとりだったため、躊躇いで足が止まった。

他に空いている席はあるだろうかと教室を見回す。しかしそれ以外に見つけられず、ロザンナは覚悟を決めて歩み寄った。


「お隣よろしいですか?」


話しかけた途端、肩につくほどの髪を揺らして驚きの顔が向けられ、「他に空いている席が見つけられなくて」とロザンナはぎこちなく続ける。


「えぇ。どうぞ」


彼女も戸惑いながらそう答え、最後にロザンナへにこりと笑いけた。

「ありがとう」と声をかけ椅子へ腰を下ろし、抱え持っていた教科書類を机上に置く。

ちらりと横を見ると目と目が合い、彼女は広げた教科書へと慌てて視線を落とした。

驚きや戸惑いはあっても、刺々しさは感じない。

これまでのことがあったため不思議に思いながら、いつも彼女たちが座っていた窓際前方の席に視線を移動させて息をのむ。

あとの女子生徒ふたりはそこに座っていて、不満げな顔でロザンナたちを見ていた。