クールな騎士団長は獣な本能を初夜に目覚めさせる
【修道院編】


 聖堂はいつも、厳かな空気で満たされている。
 朝の礼拝は、修道院に暮らす全員がそこに一堂に会して行われる。参加者の立ち位置は厳格に決まっており、礼拝像の正面に修道院長が、その後ろには修道女たちが序列で並び、さらにその後方に私たち見習い修道女が並ぶ。
 翌年に正式な修道女になる予定の私には、その中でも最前列の中央が与えられていた。
 八歳でこの修道院にやって来て八年。最後列から、ひとつひとつ立ち位置を前に移し、ついにこの場所までやって来たのだ。
 ここで敬愛する神に祈りを捧げるていると、心がどんどん穏やかになっていく。全ての煩悩から解き放たれて、自分がとても清らかな存在に変わっていくような心地がする。同時に、神に生涯仕える心構えと自覚が浮かび、身が引き締まる思いがした。
 だけどこの日は、いつもと少し周囲の……特に、後ろの見習い修道女たちの様子が違った。
 ……なにかしら。皆、ずいぶんと落ち着きがないみたい?
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