Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜
6.梅雨、君想い、歌う

 夢を見た。

 幸せな日々をメインに映し出した夢。

 そうちゃんはいつも私に寄り添ってくれていた。あの頃の私は、あまり気付いていなかったけれど、今なら分かる。

 太陽みたいな人という表現もそうちゃんに似合っているけれど、多分、空みたいな人って表現が一番合っている気がする。

 いつだって当たり前のように私の中に存在していた。子供っぽいところもあって、いたずらをするときの目を細めて笑う姿がかわいらしくて。私が悩めば、雨を降らせ悲しみを流そうとしてくれて、私が嬉しい時は光を与えてよりその出来事を輝かせてくれた。

 子供だった私は、我儘で意地っ張りで、苛立ったら向き合わずどこか別の場所にすぐ逃げた。そんな私を見つけてはどこまでも迎えに来てくれた。

 不器用な私に、泣き方も笑い方も怒り方も歌い方も紡ぎ方も吐き出し方も、その全てを教えてくれた。

 でもね、そうやって全てを与えてくれるから、私はあなたから離れられなくなったの。

 別れようと確かに言ったけれど、私はあなたから本心で離れることなんてできないんだ。

 そうちゃん。

 そうちゃん。

 あの空で私を今も見てくれていますか?

 未だ何者にもなれない私を見て、どう思っていますか?

 もしも私が、前に進めたら、褒めてくれますか?
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