一生ものの恋をあなたと
…蓮、本当に斎くんの秘書なんだ。
話し方も、全然違う。
出来る秘書って感じ…。

「…あんなに口下手だったのに…」

「え?」

わ! 心の声がそのまま出ちゃった!

「…ありがとうございます。
渡してきます。」

気まずいので、美央の叔父様の方へ逃げようとした。
でも、焦ったからか、草履の先が絨毯に引っかかって、転けそうになってしまった。

「キャッ!」

「愛!」

咄嗟に蓮が片手で帯に手を回して抱きしめてくれたので、事なきを得た。

「…あ、ご、ごめんなさい!
ちょっと、草履に慣れてなくてっ!」

「…いや、気をつけて。」

「もう! 愛ったらー。足元ちゃんと見なさい!
私達、ただでさえ、着物に慣れてないんだから。」

「あ、うん。
気をつける。
…あの、ありがとうございました。」

「…いえ…」

びっくりした…。
偶然とは言え、蓮に抱きしめられちゃった…。

それに「愛!」って…
呼んでくれた…。

私達は、美央の叔父様にご祝儀を渡して、与えられた席に向かった。

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