一生ものの恋をあなたと
その繋がりから、蓮がHASEGAWAに入社したと言うなら、話はわかる。
いわゆる修行というものだろう。



……こんなに近くにいたんだ…。




蓮はHASEGAWA社員のテーブルについている。
同じテーブルの人と、全く違和感なく話している。
本当に社員なんだ。
不思議な感じ…。

高校時代は友達と話すのも、苦手そうだったのにな。
でも、大学では…。
きっと、沢山友達もいたんだろう。
その中には女の子も。

あの…マユミさんとは、どうなったんだろう。
今も続いてる?
あの人は、私が元カノだと言った。
今は自分と付き合ってるから、もう電話はしてこないで欲しいと。
この前の旅行は、私の為の最後のプレゼントだったとも言った。
蓮は優しいから。
自分で言えないから、代わりに電話したのだと。
そして、一緒にイギリスへ旅立って行った…。

信じたくなかった。
でも聞こえたの…。
『マユミ…』と囁く、蓮の声…。

完膚なきまで打ちのめされる、って、
きっとこんな感じなんだと思った。

私の何が悪かったんだろう。
やっぱり、距離には勝てなかったのか…。

あんなに愛してくれたのに。
ううん。
愛してくれてると、思ってたの…。






ダメだ。
どうしても思考が、蓮に行ってしまう。


お色直しで、歓談中だし、少し外の空気を吸って来よう。
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