【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
容赦ない求愛行動!?

 ただの『雇用主』だったはずの鬼畜から『業務命令』ではなく”お願い”を聞き入れることになったあの先週の日曜日から、もうすぐ一週間を迎えようとしている。

 さすがに、あの日の翌日の月曜日は、会社に行くのが憂鬱で憂鬱でしかたなかった。

 週末の金曜日の終業後、秘書室に現れた鬼畜のあの派手なパフォーマンスのことがあった所為だ。

 朝から重たい足を無理矢理引きずるようにして足を踏み入れた秘書室には、三上室長と社長秘書の夏目さん、副社長である鬼畜の秘書である蔵本の三人が居て。

 挨拶もそこそこに、ぱぁっと笑顔の花を満面に綻ばせた女子高生のような反応を見せる三上室長に、手を胸の前で包み込むようにして引き寄せられてしまった私は、何を言われてしまうのかと内心ハラハラしながら三上室長のことを見つめていたのだが……。

「副社長の第二秘書という立場上、嫌な思いをすることもあるかもしれないけど、大丈夫よ? 私も蔵本君も夏目君も全力でサポートするから。今もね、そのことを話していたの」

 私の手を包み込んでいる手にぎゅっと力を籠めつつ、なにやら瞳をウルウルと潤ませてしまった三上室長に、思いがけずそんな言葉をかけられてしまい。

 鬼畜とのことで色々言われるであろうとは予測はしていたのだけれど、きっと鬼畜の第二秘書からは外れることになるだろう。

 そうなれば、これまでのようにはいかないにしても、噂なんて相手にしなきゃそのうちなくなるだろう。子供じゃないんだし。少しの辛抱だ。

 なにより、一千万のことも『橘』の経営のことも、一か月という短期間でどうこうできる訳ないだろうし。
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