【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
幻の王子様の正体

 金曜日の夜、ようやく想いが通じ合って、隼の本当の恋人になった私は、この週末ずっと隼のマンションで過ごした。

 まるで、新婚カップルのように、暇さえあれば求めてくる絶倫すぎる隼には驚かされたけれど。

 ーーそんな隼のことがなんだか子供みたいで可愛くて愛おしくてしょうがなかった。

 それでも、これ以上隼を甘やかせたら調子に乗っても困るし、素直になれない私は毎回、『え!? 嘘、ヤダ』なんて言いつつも、結局は応じてしまっていたのだった。

 そして今日は週末最終日の日曜日の朝。

 恋人になった隼と同じベッドで目覚めて、隼の無防備な可愛い寝顔を眺めつつ微睡んでいるのも、もう二日目のこと。

 気持ちよさそうに眠っている隼の寝顔を眺めていると、自然と昨夜のことが思い出される。

 料理が趣味の隼と一緒に作った夕食のクリームパスタと生ハムとモッツアレラチーズを使ったサラダがなんとも絶品だったこと。

 作ってる間にも、(といっても私はパスタを隼の指示通りに茹でて、野菜を切るのを手伝っただけだけど……)隙あらば、私のことを後ろから包み込んでくる隼に抱きすくめられて。

「あっ、もう、そんなことされたらいつまで経っても食べられないでしょ?」
「大丈夫ですよ、どれも簡単なものです。ここまで準備できていたら五分もあればできますから。それより、僕は侑李さんのほうが欲しくて堪らないんです」
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