【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
突然の恋人宣言!?

 人生最大の大ピンチは免れたものの、とんでもない《《鬼畜》》に、目をつけらた挙句、《《弱味》》どころか、大きな《《借り》》まで作ってしまった私は、翌日の朝である現在。

 業務が始まったばかりで、やることが山積みであるにも関わらず、副社長室に呼びつけられている。

 そして、だだっ広い部屋の中央に置かれた応接セットの、革張りの上質なソファに深く腰を落ち着け、嫌味なくらい長くてスラっとした足を組み、なんともスタイリッシュに決めている鬼畜の、正面のソファに座らされた私は、テーブルを挟んで鬼畜と対峙している真っ最中である。

 ……といっても、ソファに座るよう促された直後に、秘書の蔵本から渡された、『雇用契約書』についての説明を、一方的に、鬼畜から受けているのだけれど……。

「……あ、あのう、これは一体……どういうことでしょうか?」

「どういうことも何も、僕は高梨さんを一千万の報酬で雇ったのですから、『従業員』である高梨さんと『雇用主』である僕とが、『雇用契約書』を取り交わすのは、至極当然のことだと思いますが。何か問題でも?」

「……いや、あの、その点については、勿論異論はありません。ありませんけど、業務内容に、『雇用主の恋人、又は、それに付随する諸々の業務全般』とありますが……。その業務内容について、もっと詳しく教えていただけませんか?」

「あぁ、それは、僕の”恋人のフリ”をしていただくうえで、”想定される諸々”……まぁ、家族や友人への紹介であったり、それに伴う、偽装工作とでもいいましょうか。まぁ、そんなところですので。どうかご安心下さい」
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