溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~

7.もう一度、一緒にいるために

退院した翌日も母は家にいた。

昨日は色々と頭の中で考え事をしていたらなかなか眠れず、寝たのはたぶん三時ごろ。
寝坊し遅め八時に起きてリビングに行くと『おはよ、ご飯あるわよ。』と言う母。


「お母さん、仕事は?」

「休み。あなたの事が心配だからって忠さんが『休んで李子ちゃんと一緒にいてあげて』って、私も一週間休みもらちゃった。」


明るく何でもないように『こんな長期休暇、入社して以来、初めて!』と明るく答える母だが、その目は私の事が心配でたまらないのが見てわかる。

こんな年になってまで心配かけちゃったな。

少しでも心配をかけないように食欲はまだなかったが朝食を食べる事にした。
でも半分しか食べれなかった・・・。


「ん、半分は食べれたわね。良しとしよう!」


食事を終え自室に戻ると部屋のテーブルに置かれたスマホが目に入った。
ホームボタンを押すが動かない。『お母さーん、スマホの充電器って知らない?』ドアから顔だけ出してリビングの母に呼びかけた。


「その荷物の中になかったら無いかも。・・・・・ないね。ちょっと待ってて、お母さんの持って来る。」


母の充電器を借りて充電をし、電源を立ち上げてみるとメッセージが沢山入っていた。
会社の先輩たち、奈津そして大輝からも。

先に大輝以外のメッセージを開き返信をした。

大輝のメッセージを開くには勇気がいり、なかなか既読出来ない。
結局読むことが出来ないまま夜になり、九時過ぎスマホがピコンとメッセージの着信を知らせる。

【大輝】

画面に表示された名前を確認すると大輝が私の事を忘れてない事に安堵し、ようやくメッセージを開くことが出来た。


6/16 大輝
   李子、辛い思いさせてごめん。
   体調はどう?辛くない?
   傍にいたいけど俺も自分がしなきゃいけない事を今はちゃんとしてくる。
   終わったら迎えに行くから待っててな。
   李子、愛してる。


6/17 大輝
   ただいま。今、家に帰ってきた。
   李子がいない家、グアムに行った時以来だな。
   食欲がないって聞いたけど大丈夫か?心配だから少しでも食べて。
   李子が少しでも早く戻って来れるように俺も頑張るから。
   李子、大好きだよ。愛してる。




大輝からのメッセージを読み涙が溢れ止まらなくなった。
大輝が迎えに来てくれた時に心配をかけないように明日からはちゃんとしようと決意した。



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