年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
王都での生活は目まぐるしく過ぎていく
三日目、朝食の席にはフィリップ様と奥様のリリエラ様がおり私が席に着くとにこやかに話しかけてくれた。

 「おはよう。シャルロッテ。今日は家にデザイナーを呼びましたの。沢山良いものを作ってもらいましょうね!!」

 ウキウキと弾んだ声で話すリリエラ様に私は一体なんの話かとついていけていないでいると、リリエラ様の様子に苦笑しつつフィリップ様がお話されたことに仰天したのは言うまでもない。

 「いや、ハルバートと婚約したからには今後ご挨拶にいろんな会に回らないといけないだろう? お茶会にも招かれるだろうし。だから、ドレスをいくつか作ろうと話がついていてね」

それ、私は聞いてませんが? あっけに取られていると、ニコニコとフィリップ様は続けた。

「もう、娘が欲しかったリリエラは楽しみなんだよ。一緒に話し合ってドレスを仕立てるといいよ」

 なんと、ここに来て三日目。
 公爵様の正式な婚約者となった一日目はドレスの採寸から始まるみたいです。
 それは憂鬱です……。

 ちょっと苦労してた辺境の我が家ではデイドレスしか仕立てていなかったので、確かに夜会用のドレスは婚約したからには必須だろう。

 一応年頃の令嬢なので憧れはあったものの、どうしたものか……。

 あの公爵様に並んで恥じないドレスを仕立ててもらわねばならないのだ、なんたるプレッシャーだろうか……。

 かといってごてごてしいものは好かないし、うまく選べる自信がない。
 昨今のドレスの流行りすら知らないのだから、お手上げである。

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