monochrome

彼等が色を大切にする理由


Sora Side

大地はいつも笑っている。
どんな時でも、みんなが暗い時だって。
ニコッと笑う、まるで花みたいに。

そんな彼はいつも私に話しかけてくれて、
他愛もない話を沢山してくれた。
そんな彼に心を許すのは容易いことで、
聞けば色々教えてくれる、分からないことは私が知る限りの知識を彼に伝える。
それが当たり前になっていた。
するといつも彼は、

「へぇー!すげー!」って、目を輝かせてまた笑ってくれる。
こんな人が、始末屋だなんて誰が信じる?

ある日、大地がリビングのソファに横になってた。

「ちょっとー、私も座りたいー」
桃「えーどうしよっかなー笑」
「…擽るよ?」
桃「ふは、それは勘弁笑」

そう言って足を降ろそうとする時、きらりと光るものが見えた。

「あれ?アンクレットなんてつけてるの?」
桃「そうだよ、気づかなかった?」
「足元ちゃんと見たことなかったからね」
桃「俺だけじゃなくてみんなつけてるよ」

え、ほんとに知らなかったの?とキョトンとする大地。
よーく見たら、大地のカラーであるピンクの宝石があしらわれている。

「綺麗だね」
桃「光成の提案なの、ダイヤにそれぞれの色を沈着させて身に着けようって」
「オシャレだね、光成」
桃「俺これつけるまでアンクレットの存在知らなかったんだよね笑」
「ふふ、大地らしい笑」
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