酔える声の裏側〜イケメン声優に溺愛されちゃった!?〜
「そんなの、佐伯はどうとも思ってねえよ。」

「なんでそんなことわかるんですか。」

「だって、芸能人なんてそんなもんだろ?
あくまで事務所の駒でしかない。
俺も佐伯もあえてそれを選んでんだから、こうなることぐらい想定済みだ。」

「佐伯さんはともかく、御園さんは小野寺さんに頼ってるんじゃありません?」

「まあな。お前と違って優秀だから。」

「相談まともにきいてくれてないですね。
からかいたいだけでしょう?」

「失敬な。
お前が悩むと間接的に俺が困るから仕方なく相談のってやってるんだよ。」

「そうですか。
じゃあ、御園さんとしては、どうでもいいってことですね?」

「お前のその風評被害妄想はな。
俺だってもう既に色々書かれてるし。」

「知ってます。アニメの実写化に出るとろくなことありませんよね。」

「それは一因にすぎないけど、
色々あって、脅迫メールまで届いたからな。マジでウケる。」

「そんなもん、ウケないで頂きたいです。」

「佐伯も可哀想だけど、いろんな荒波は被ることになる。逆に言えば、今まで事務所には護ってもらってきたんだよ。
それがこれからは顔とか色々晒されるんだからな。マジでお前の付け入る隙なんかなくなるぜ。」

「...。」

「それでも、佐伯がお前のこと好きならそれなりに配慮してくれるだろうし、それでいいんじゃねえの?」

「そうですかね...。」

「お前はお前で、気にしすぎなんだよ。
それとも、そんなことより心配なことがあんの?」

「え?」

「ゆくゆくお前、佐伯に捨てられるんじゃねえかとか、思ってるんだろ。」

「それは...否定、できないです。」

「素直でよろしいな。
でも安心しろ。佐伯がお前を捨てて他の女と付き合うくらいなら俺が佐伯と付き合ってやるから。」

「それは安心していいんでしょうか...。」

「安心だろ?ライバルは1番身近な俺が全部排除してやるんだから。」

頼もしいんだか、どうなんだか...。

「でも、佐伯のこといい加減信用しろよ。
俺と2人でいてもお前の話ばっかでうんざりなんだから。」

「そうなんですか...?」

「そうだ。もう俺も参ってそのまま話きいてやってるけど。
出逢えてよかったとか、こういうことがあって更に好きになったとか、
俺相手にする話なのかよ、全く。」

...そんなことを、佐伯さんが...?

「幸せそうで何よりだけどな。
俺はちょっと傷つくけど...。」

「御園さんだって大切にされてますよ。」

「まあな。今後も程よく隙をうかがってるよ。」

「そうですか。では、ライバル排除は任せます。」

「おう。」
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