十二怪談
其の三
これはあるおじさんが子供の頃体験したお話です
ある日、その少年が濁りきった川に遊びに行くと、虎の爪のような物が浮いていました。
なんとなく石を投げると、コツンと跳ね返り、それを面白く思った少年は、ぽいぽいとその辺りにあった石を投げ、それでも沈まない爪のようなものに腹を立て、大きな石を「ドボン」と投げたのです。
すると、直撃しなかったはずなのに何故か爪のようなものは沈み、買ったような気分になって家に帰りました。

そして家で風呂に入っていると、また、その爪のようなものが浮かんでいるのです。
あれ?おかしいな?と思うと、何もしていないのに爪のようなものは沈み、次の瞬間ざばあっと全身に鱗の生えた4才ほどの子供が水面から現れました。
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