二人の距離～やさしい愛にふれて～
恭吾はそれを『物好きもいるものだ』って眺めていた。

「あいつらってヤバイやつらだよな。女縛って監禁まがいのことするって噂のやつらだろ？あの女連れてかれたら死ぬんじゃね？」

由彰の表情は険しくなりため息をつくと、カウンターにグラスを置いてその女の方へ歩き出した。

「ヨシ！待てよ、どうするつもりだよ。」

慌てて恭吾もその後を追った。
ヤバイ相手にトラブルに巻き込まれたくないと、止めに行ったが一歩遅かった。

「すいません、今日こいつの相手するの俺らなんで。」

そう言って由彰はその女の手を引いて出口に向かった。

「えぇ～、リカちゃん空いてるっていってたじゃん。」

声をかけていた男たちの一人がリカと呼ばれた女のもう一方の手を掴む。

「ヘヘッ、誰でもいいよぉ、早くやろうよ。」

女は薄気味悪い笑みを浮かべていた。
それを見ていた恭吾はあまり関わりを持ちたくないと思いつつも、女からその男の手を優しく引き離した。

「すみませぇん、今日は俺らで。」

おちゃらけた顔でそういうとリカの腰を抱いて出口に強引に連れて行く。

「残念、またねぇ、リカちゃん。」

その男は追ってくる様子はなく手を振っていた。
足早に恭吾と由彰は出口を出るとホテルが何件かある方向へと歩いた。
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