恭吾は茉莉と真の向かいに真面目な顔で座っていた。

「俺、理花のいる九州に週末会いに行ってくる。理花の親が許してくれたんだ。」

こんな殊勝な態度の恭吾を初めて見た茉莉は驚いていた。

「そうか、この前電話で話をしてみるって言ってたもんな。」

真は嬉しそうに恭吾に言う。

「うん…ひどい事言ってしまったって謝られたよ。理花の先生も是非来て協力してくれって言ってるみたいなんだ。」

「わかった。恭吾が嫌な思いしないのであれば母さんは賛成する。でも、学校にはきちんと通ってほしいし、しなければいけないことを疎かにしないでね。」

「うん…一応週末だけ、まだ行ってみないとわからないけどバイトもあるし月に2回行けたらとは思ってる。」

「そうか、恭吾がちゃんと考えているのなら俺も賛成だ。交通費もかなりかかるだろ?恭吾はお小遣いをねだったりしなかったから…できる限り協力するよ。」

「ありがとう…でもこの2か月はほとんどバイト代使ってないし、そこそこ今までも貯めてたし。」

「でもそれはそれで将来のために持っておいてもいいだろ?」

「そうよ。それにね、パパが残してくれたお金もあるのよ。きっと恭吾が理花さんのために使うって言ったらパパも喜んで賛成してくれるんじゃないかな?」

茉莉は恭吾の父親である大吾の写真を見る。写真の中の大吾はまだ赤ちゃんの恭吾を抱っこして眩しいくらいの笑顔でこちらを見ていた。