異能者達の宴~夢の競演特別編~
第五章

乙女

「ち、ちょっと待ちなさいよ…もう…!」

背後から四門メグの声が聞こえた。

「召喚して強化の魔術を行使するなり仕掛けるなんて…少しは事情を聞くとかいう頭はない訳?」

「…お前が私達を呼び出すくらいなのだ」

私は振り返って四門メグの顔を見た。

「事態は急を要するのだろう?それ故に即座に仕掛けた。何か問題でも?」

「う…」

私の言葉に彼女はグッと詰まる。

私と紅の攻撃によって吹き飛ばされた異形の怪物。

あれが今回の四門メグ達の敵らしい。

異形者というのだと、四門メグが私に告げた。

そして。

「!」

一人の少年が、私達の前に立ちはだかる。

「……」

カタナと魔槍。

それぞれの得物を握り締め、私と紅は身構える。

「待て!彼は殺さないでくれ!」

修内太が慌てたように言った。


< 41 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop