俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
mission7-6 駆逐、忌むべき者に抗う夜

すべては計算通り➖back side➖

☆☆☆







「天竜『相殺』…大海衝っ!」



激しく吹き荒れる波という波が、目の前の標的を襲い飲み込む。

波が標的を包んで天に昇り、地上ではそこにあった人影すら無くなってしまった。



「おぉっし!本日の真凛、魔族二体相殺っ!」





戦いを終えたその地に、静寂が訪れる。




「…もう、いませんよね?」



ここは、東区。

とは言っても、札幌の果てで、すぐ目の前はお隣の江別市。

何も無い吹きっさらしの豊平川の防波堤には、夜でも変わらず川がザンザンと流れている。

雪解けだからか、川の水量が多い。

辺りを見回してもどこも真っ暗だ。



「室長!もう妖気感じませんし、全滅じゃないですか?」



雪の中をザクザクと歩く足音が近づいている。

部下である風祭の長靴が鳴らす音だ。

春が近く、雪解けの時期とはいえ、川の堤防沿いなんて除雪なんかされておらず、むしろ堆積場。

川沿いの一面雪野原で敵と相対していたのである。

三人とも長靴を履いて…。



「…取り敢えず、車に戻りましょう」


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