俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
mission7-last 夜が明ける、二人だけの朝に

建前と本音 ➖backside➖

☆☆☆








なずなの意識が戻った頃。

凄惨な戦場の舞台となっていたオガサワラリゾートのホテルは、事後処理も終えてあたかも何も無かったかのような時が流れていた。

ちなみに、壊されて粉々になったダミーのパワーストーンの破片も片付けられ、屋上の清掃も終了。




…しかし、戦場の役者となった彼らは解散せず。




「むふふ…何への乾杯?」

「そりゃあ、悪を倒したヒーローのご帰還に乾杯、でしょ?」

「わはははー照れるなー」



二十歳の男二人、怪しくニタニタと笑い合って、グラスを合わせて鳴らす。

辺りの光り輝く夜景が見渡せる最上階のラウンジにて。



それを呆れた視線を送って苦笑いをする、隣のテーブルの大人達。



「やれやれ。さっきからいったい何回乾杯してるんですか」

「もう出来上がってるのか…若いっていいな」

「すみません、皆さん。夏輝、従者契約した途端お酒大好きになっちゃって」

「おかしいですねー。乾闥婆王は酒と肉は食わず、香を食べ歩いて修行していたというお話ですが」

「いやいや、彼は神本人ではないですけど」


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