俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

next mission!

☆☆☆







---その頃。



すすきのの、すでに閉鎖された大型商業施設の屋上の隅で。

春の陽射しを大いに受けながら、ボーッと座っている男性が、一人。

日焼けするとすぐ赤くなってしまう白肌を晒していたが、半人半魔の契約をした途端、軽く自分を苦しめていた日焼けは、何故か無くなった。

人間じゃなくなると、日焼けもしなくなるらしい。



(………)



考えることは、あまり無い。

だから、頭の中は『無』。




「…ちょっと?連れてきたヤツら、ほとんど消えたって本当?」



女の声がした。

と、思ったら。

目の前のフェンスの柱に、一匹の蜘蛛が這っている。

彼の視線の高さで足を止めた。



蜘蛛の存在に気付くと、彼は「あははっ」と声をあげる。



「お仲間半分やられちゃったよ。ごめんね?…女郎蜘蛛」



すると、人の爪ほどの大きさである蜘蛛から声がした。

蜘蛛が喋るのだ。



「…別に?仲間だと思ってない。私の『愛しい人』の復活する姿を目にしたいあまり、野次馬根性で着いてきた奴ら。こうなることは目に見えていたわ?」


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