最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
予想外にときめく二カ月

抱いてほしいと、旦那様に赤裸々なお願いをした夜。お互いに名前を呼び合って、四肢を絡めて、恥ずかしい姿をすべてさらした。

重なり合わないのは気持ちだけ──。どうしようもない寂しさを抱きながらも、好きな人と繋がれただけでもう満足だと、私は心から思っていた。

ところがその後、予想外の展開となったのである。


初体験の余韻はいつまで経っても冷めやらず、今後のこともぐるぐる考えていたせいでまったく寝つけなかった。

眠れないのは慧さんも同じだったのか、ふいにぽつりと呟いた。『……驚いた』と。

彼に背を向けて横になっていた私は、寝返りを打ちながら問いかける。


『なにがですか?』
『想像以上によかった。一絵の中にいるのが』


 真面目な顔でそんなふうに言われ、私はかあっと顔を熱くして再び両手で顔を覆った。


『ストレートに言いすぎ……』
『君もそうじゃないか? 初めてとは思えないくらいに濡れて、感じていただろ』
『いやー!』


セクシーな声で破廉恥な発言をしないでほしい!と身悶える私。
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