独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
幸福な誕生日に絶体絶命です!

 週明け、私たちはさっそく朝のミーティングで、医局のドクターたちに結婚の事実を公表した。

 皆それぞれ驚いてはいたが祝福してくれ、気恥ずかしさはあったものの、秘密にしていた時よりは気が楽になった。

 しかし、昼頃にはすでに情報がナースたちにも回っていて、たまたま食堂で食事をしていると、いつかも見かけたナース三人組がちょうどその話題で盛り上がっていた。

「大人しそうな顔してよくやるよね。本人より先に院長に取り入ったらしいよ」
「脳外の新人ナースにも手ぇ出してたんでしょ? 散々気を持たせる言動してたくせに、結局お金も地位もある小田切先生を選んだって」
「そうそう。その新人、めっちゃ健気でかわいい貴重な子だからホントかわいそう。私、もう早乙女先生の指示は無視しよっかな」

 ……それ、迷惑をこうむるのは患者さんでしょ。最低なのはどっちよ。

 私は彼女たちの後ろ側にある席でひっそり食事をしながら、心の中で突っ込む。

 ある程度の悪口は覚悟していたものの、やっぱり実際耳にすると気分のいいものじゃないな……。

 悶々としつつも、午後の仕事で全力を尽くすためにもさもさと白米を口に運んでいた時だ。

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