しかくかんけい!

渦巻く感情



■■ そらside ■■




人々の熱気に圧倒されつつ、祭りというのは案外楽しいものだと感じる。

いや、楽しそうに はしゃぐ人達を見て楽しいと錯覚しているのだろうか。


でも今は、錯覚だろうか実感だろうかどうでもよかった。


ふたりがいなくなった。


後ろを歩いていたはずのふたりはいつの間にか姿を消して、なぜかシャボン玉だけが浮いていた。


ひと通り辺りを探したけれど、この人の群れからたったふたりを見つけ出すのは至難の業。

結局 花火の時間になっても見つからず、愛莉と空を見上げた。


ひゅう、と昇り朴が上がったと思ったら、

一瞬の息継ぎをして、

ドドーンと天が発狂する。


そして色とりどりの星屑たちが、

力尽きたように、ぱらりと散ってゆく。



「綺麗だね」


愛莉の感動する声に、そうだね、と返す。



「みんなで見たかった」


俺の心の声がそばから聞こえて、思わず愛莉を見る。




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