竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
5.ミレイナ、ドラゴンを保護する

(1)新たな魔獣

 魔獣係に任命されて一週間。
 この仕事は思った以上に自分に向いていた。

 すっかりとミレイナに懐いている魔獣達はいつも愛想を振りまきながら寄ってくる。尻尾を振りながらトタトタと擦り寄ってくるのが、本当に可愛いのだ。
 たまにリンダも手伝いに来てくれるので、そんなときは半獣にならない代わりにリンダと楽しくお喋りしながら作業をしている。

 そんなこんなで、ミレイナは毎日とっても楽しく魔獣係をこなしていた。

[おはよう!]
[おはよう、ミレイナ!]

 この日も、朝ミレイナが魔獣舎に向かうと、四匹の魔獣達が走り寄ってきた。ミレイナは体を低くすると、順番に彼らを抱き留める。

[はい、順番ね。まずはシェットからよ]

 ミレイナが声を掛けると、黒い耳をぴんと立てたフェンリルのシェットがミレイナの腕に飛び込んできた。ミレイナは魔獣達の状態を目視で確認する。
 ミレイナは半獣になれば魔獣と喋れるので彼らに直接体調を聞くこともできるが、その他にもこうやって毎日健康に問題がないかをチェックしているのだ。

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