竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~

(3)竜王陛下との攻防②

白銀の悪魔にラングール国へ連れ去られた翌日、諸悪の根源であるジェラールはミレイナの元に大量のご馳走を持ってきた。

 昨日もあった青菜に始まり、キャベツ、大根とバリエーションが増えた。さらに、ミレイナの大好物であるラングール人参まで!

 しかも、全てがみずみずしくて新鮮なものばかり。
 しっかりと洗われて衛生的なものだ。

 ミレイナは昨日のあの一件以来、一切食事を取っていなかった。
 断食すること丸一日。もはや胃袋の限界である。

「ほら、食べろ」 

 鼻先に順番に野菜が差し出される。しかしミレイナも負けていない。
 なぜなら、食べて太ったら殺されてしまうのだ。

「駄目だな……。これはどうだ?」

 低い声がして、今度は鼻先にラングール人参が押しつけられる。

(あ、いい匂い……) 

 ずっと我慢を続けていたミレイナだったが、大好物のラングール人参が差し出されたときに遂に理性が崩壊した。
 殺されるという事実も忘れて食べた。
 しかも、出されてたラングール人参を全部。

< 27 / 319 >

この作品をシェア

pagetop